夏休みになり、今日はお姉ちゃんと留守番です。宿題をしていたあき子は、もう嫌になってしまいました。
「お姉ちゃん、暑いね。」
「うん。」
「のど渇いたね。」
「うん。」
「何か飲みたい。」
「もう少し待ってて、いい物あげるから。」
「なになに。」
「だから、待っていて。」
いつもよりちょっときつく言われたあき子は、お姉ちゃんから離れて寝転んでいました。
しばらくすると、
「あき子、冷たい水持って来て。」
と、言いました。急いで立ち上がり、沢からひいてある水を汲んで来ました。テーブルの上には、薄茶色の液が入っているコップがあります。
「あき子、水入れて。」
「お姉ちゃん、何。」
「あき子、見ててごらん。」
といって、コップの中に白い粉を入れ、箸でかきまぜました。
「さあ、飲んで。」
あき子は、ちょっと飲んでみました。
「わー、サイダーみたい。」
と言って、二人ともおかわりして飲みました。二人の顔は夕日の色です。